2024.11.25 イベント

2024年度看護に関する講演会(ウェブ形式)を開催しました。【オンデマンド配信2024年10月23日(水)~11月24日(日)】


 2024年(令和6年)10月23日(水)~11月24日(日)、ウェブ形式のオンデマンド配信にて、「この激動の時代に看護の原点に立ち戻る-「対話」で変化に強い組織をつくる-」をテーマに、2024年度看護に関する講演会を開催しました。
 本講演の企画は引き続き、これまで当財団の公募事業の助成を受けた看護職の方々を中心に行っていただきました。

 本講演会の企画意図は、次のとおりです。― 医療の高度化・専門化が進み、患者の生活背景や病態が多様化・複雑化する中で、医療機関で近年積極的に推進されてきた「標準化」や「医療安全」などの重要性は言うまでもない。しかしながら、「標準化」と個別対応、リスク管理と患者の尊厳のはざまで、様々なジレンマやコンフリクトを抱え、葛藤する看護師、看護管理者は少なくない。先行きが不透明で将来の予測が難しいこの時代に、看護の原点であり、看護の最大の武器である「対話」の大切さについて、臨床の視点、看護管理の視点から問い直したい。

 まず財団についてご紹介した後、基調講演では東京医療保健大学副学長の坂本すが氏から、本テーマに沿って「看護の原点を考える-看護とは何か」や「対話が拓く看護の未来」などについて、具体的・実践的なお話をしていただきました。続く座談会では、まず、さとうみき氏から患者としての様々なご経験を語っていただき、大坪会グループ看護局長の川﨑つま子氏と坂本すが氏に議論に加わっていただきました。司会は、2020年からさとう氏の活動パートナーで、慶応義塾大学大学院健康マネジメント研究科教授の堀田聰子氏にお引き受けいただきました。また、今年も本財団と長年交流のあるメイヨークリニック(米国ミネソタ州)のRachel Moody氏にご講演をいただきました。看護実践認定管理者のお立場から本テーマに関わる同クリニックの最新の臨床看護の現場についてお話いただいております。

 ウェブ講演会は今回開催3回目となり1,177名という大変多くの方にご視聴いただきました。
 講演後に皆様からいただいたアンケートでは、「次々と課題が発生する現場だが、あるべき姿、ワクワクする職場作りのヒントを得ることができた」、「語ることが大切とずっといわれてきたがしゃべりと言われるとハードルが下がると思った」、「患者の語りを聞き、自分の関わり方を振り返る機会になった」などのご感想が寄せられました。また、メイヨークリニックの講演について、「管理者がスタッフと同じ目線に立てるようにケアを実践されていたり、スタッフを称賛したりと、精神面でのサポートが素晴らしい」、「管理者として実践の標準化を進めるうえで、方針・コアバリューをスタッフと共有することの重要性を改めて感じた」というご意見もいただきました。ウェブでの開催形式についても、「来年度もオンデマンド配信を継続していただけるとありがたい」と、好評価をいただくことができました。これらのご意見を今後の講演会の企画に活かしてまいります。

 

基調講演 『看護の原点と未来 』 (要旨)

     東京医療保健大学/大学院 副学長
     医療保健学研究科 研究科長
     医療保健学部 看護学科 学科長
     坂本 すが 氏

座談会 『「患者の語り」を通して考える看護の原点』

     さとう みき 氏
     川﨑 つま子 氏
     坂本 すが 氏
     堀田 聰子 氏(司会)

メイヨークリニック講演
      『Living the Values: Bringing Mayo Clinic Core Values to Life in the Clinical Setting』 (abstract)
     価値観の実践:メイヨークリニックのコア・バリューを臨床看護の場で生かす

     Ms. Rachel Moody
     MS, RN, Certified in Executive Nursing Practice(CENP)
     Fellow Clinical Nurse Specialist(FCNS)
     Nurse Administrator Nursing Practice and Quality
     Department of Nursing, Mayo Clinic, Rochester, MN

講演会によせられたご質問と回答はこちら


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